映画『フォルトゥナの瞳』のラストシーンの疑問点のまとめ

2023年11月29日2023年11月30日

2019年に公開された人気映画『フォルトゥナの瞳』のラストシーンの疑問点について、慎一郎と葵それぞれの立場を解説します。

今回紹介するのは下記の「3つ」

慎一郎の立場　なぜ沖縄旅行へ誘ったのか
葵の立場　なぜ電車へ乗ったのか
なぜ葵は“フォルトゥナの瞳”を持っていたのか

①：慎一郎の立場　なぜ沖縄旅行へ誘ったのか

慎一郎の立場として、「なぜ沖縄旅行へ誘ったのかわからない」「なぜ旅行へ行かなかったのか」と言う声がネットに多く上がっていました。

これを慎一郎のやりたかったことと絡めて解説します。

慎一郎は列車事故が起きることを予測して、電車に乗っている全ての人を助けようとしていましたね。

葵を誘った沖縄旅行は実は“嘘”でした。

それは慎一郎の手紙からも明らかなことです。

どういうことか。

慎一郎はあと1回人の命を助けると、自分の命はなくなると医者から忠告を受けていました。

そして列車事故を起こす電車に葵が乗ることに気づく。

葵を電車に乗せないために、沖縄旅行に誘ったのでしたがこの旅行は実は“嘘”です。

つまり最初から沖縄旅行へ行くつもりはなく、旅行に行くためにシフトを調節することによって葵を電車に乗せないようにしていたのでした。

この時点で慎一郎は葵の命を救っているので、沖縄旅行へ一緒に旅立っていたとしても、途中で命を落としてしまいます。

初めから一緒に行く気はなかったんですね。

出来るだけ危険な目に遭う人を減らしたいので、保育園に遠足の日にちを延期できないかと電話をかけたりもしています。

そして葵を電車から遠ざけた後に、電車に乗る全ての人を助ける。

これが慎一郎のやりたかった事でした。

②：葵の立場　なぜ電車へ乗ったのか

ではなぜ葵は慎一郎から旅行へ誘われていたにも関わらず、電車へ乗っていたのか。

「シフトを変わってるくれる予定だった人が体調不良になって…」と言っていましたが、これは葵の“嘘”です。

葵もまた初めから、旅行へ行く気はありませんでした。

ラストシーンで葵もフォルトゥナの瞳の持ち主である事がわかりましたね。

「葵はフォルトゥナの瞳を持っているのだから、ホームにいる時、周りの人が透けて見えたはずなのになぜ電車へ乗ったのか」「なんで旅行のドタキャンをギリギリにしてきたのか」と疑問に思った方が多かったようです。

これについて解説します。

葵は慎一郎が透けているのをみて、また自分を助けようとしていると勘付きました。

そして沖縄旅行の“嘘”にも気づいていたのです。

では益々、なんで電車に乗ったんだ？と疑問が沸きます。

葵は慎一郎の“嘘”に気づき、沖縄旅行に行く事が自分を助ける事に繋がるのだと考えます。

そしてそれを阻止しようとしていたのです。

旅行の当日、電車の時間ギリギリに「行けなくなった」事を慎一郎にメールしたのも、電車に乗る事を慎一郎に阻まれないようにする為です。

電車に乗る時、周りの人間を見て葵はこの電車が事故に遭う事を悟ります。

その上で乗り込んだのです。

自分を助ければ、慎一郎は死んでしまう。

ならば助けられなければいい。

自分が予定通り死ねば、慎一郎はこの先も生きられる。

これが葵の選択です。

「運命を変える選択」をした慎一郎に対し、葵は「運命を変えない選択」をしたのでした。

③：なぜ葵は“フォルトゥナの瞳”を持っていたのか

そこで気になるのが、なぜ葵は“フォルトゥナの瞳”を持っていたのか。

“フォルトゥナの瞳”をもつ人物は、作中に3人登場しています。

慎一郎、慎一郎を診察した医者の黒川(北村有起哉）、そして葵です。

黒川は研修医時代に生死を彷徨い、そこから“フォルトゥナの瞳”を持つようになったと語っていました。

そして慎一郎も本人は、大人になるまで気づいていませんでしたが、瞳を持つきっかけとなったのは飛行機事故で、同じく死の淵に立たされたことです。

では葵はいつなのか。

さらーっと物語が進んでしまったので、見落としてしまった方も居るんじゃないかと思いますが、冒頭から何度も出てきていた、慎一郎の幼い時の飛行機事故のシーン。

女の子から「助けて」と手を伸ばされていたにも関わらず何もできなかった事を、慎一郎はずっと悔やんで生きていましたね。

その女の子は実は生きていて、そして葵であった事がラストシーンで明らかになりました。

葵も慎一郎と同じく、飛行機事故で死の淵に立たされ“フォルトゥナの瞳”を得たのでした。

そして葵は自分の能力に気づいていたものの、その能力を使って誰かを助けたりする事はなく、ずっと見てないフリをして過ごしていました。

宇津井（DAIGO）を助けなかった事を悔いていた慎一郎に対して「慎ちゃんは弱いね」と声をかけた葵でしたが、これは自分へ対する言葉だと後々言っていることからも、葵も葵なりにこの瞳について苦しんできた事が伺えます。

そしてこの瞳を使い、初めて慎一郎を助けようとしたのでした。

以上が映画『フォルトゥナの瞳』のラストシーンの疑問点の解説でした。

そんなお話だったっけ？
もう一度みてみたいなぁ…

というあなたへ…！

映画『フォルトゥナの瞳』を今すぐ実質無料でみることができる方法をご紹介します。

※最新の配信状況は各動画配信サービスで最終確認をお願いいたします。

総合評価&あらすじ

映画『フォルトゥナの瞳』のあらすじ

幼い頃に事故で家族を亡くした木山慎一郎。

自動車塗装工場で淡々と働き、色のない日々を送っていた。

ある日“死期の近い人間が透けて見える”という自分の能力に、たまたま気づいた慎一郎。

しかし死ぬはずだった人を救えば、自分がその代償を払うことになるであった。

初めて愛する女性・葵を見つけた慎一郎は、生きる目的を見つけ、その能力を使わずに生きていくことを決めたが…。

「死ぬとわかっている人々を放って置けない」と悩む慎一郎。

果たして彼の選択とは。

リンク

印象に残ったセリフ・シーン

①：「人って朝起きてから夜寝るまでに9000回、何かを選択してるんだって」

作中でもキーポイントとなったセリフですね。

運命を信じるかと問うた慎一郎に対し、美津子（斉藤由貴）は信じないと答えました。

「人って朝起きてから夜寝るまでに9000回、何かを選択してるんだって」

この選択が全て運命でしたなんて言われたら納得いかないと答える美津子。

1日の間に、何度も何度も選択をして生きている私たち。

小さな小さな選択を数えゆくと9000回もあるのかと驚きます。

そして慎一郎もたくさんの選択を重ねながら、人生を進めてゆくわけです。

②：「二人で生きていくことが許されない悲しい運命」

慎一郎と葵はお互いがお互いを守る事を決め、そして、自分の命を犠牲にしてでも相手に生きてほしいと願いました。

「相手の生命を救えば、二人で生きていくことが許されない悲しい運命。
だったらわたしはこの運命を受け入れるから、愛するあなたには生きて欲しかった。」

このセリフは一番印象に残っていて、そしてこの物語における葵という女性を象徴するセリフであると思います。

「弱いわたしがそうしたように、多くの人を見殺しにしてでも、あなたには生きることを選んで欲しかった。」

とも語っているように、葵もまた人を助けずに生きてきた事に苦しんでいました。

そして慎一郎を守る決断をした葵。

どこにでもいそうで、でも芯のある強い女性であった葵の、葵なりの守るという形が慎一郎と対比され印象深いシーンとなっています。

こんな人におすすめ

ラブストーリーが中心にはなりますが、SF映画としての要素や慎一郎の過去などシリアスな場面も多く描かれており「コテコテのラブストーリーはちょっと…」という方にもおすすめです。

ラブラブなシーンというよりは、お互いがお互いを大切に思って行動するという大人な恋愛が丁寧に丁寧に描かれていますよ。

【面白い映画】

■フォルトゥナの瞳
寿命が僅かしかない人が透けて見える瞳、フォルトゥナの瞳。

想像してください。

もし、あなたの大切な人の死期が近いとわかったら。主人公は、運命の神に争ってまで恋人を救おうとする。三木孝浩監督の伏線回収劇もポイント！#映画好きと繋がりたい
— アイゼンプロ｜おすすめ映画@クラファン挑戦 (@Eisenhower_Pro) January 8, 2022